顔がない

顔がない絵を見た。

きょうは、筋トレをして、掃除をして、スニーカーとサンダルを洗い、美術館に行き、喫茶店でブログを書いている。

わたしは、このまま家に帰って、なにをするんだろう。

もっと愛したい。

なにかを誰かを愛したい。

自分をも愛さぬ自分を慰めて可愛がっていつまでもいつまでもなにも変わらない。

こんなの毎日朝から晩までオナニーしてるのと同じじゃないか。

擦り切れて血が出てるのにオナニーしてるんだ。

もうやめたいのにやめられないからどんどんすり減ってすり減って薄っぺらくなっても生き続けて、最後は紙みたいに薄くなって、

消える

確固たる現実世界

確固たる愛とか信頼関係とか要らないって

本能のまま肌を擦り合わせる行為に及んだとして

あの日、もしも、仮にだよ

それが何なのか

それが一番幸せだし不幸だとわたしは思った、あなたも思った

偽善だらけで虚構だよ、この世界は

紛い物だよ、みんなコピペだ

そんなアホみたいな世界であなたといるときだけがもしかして生きていけるかもしれないと思った

デート、飲酒、食事、また食事、そんでまた飲酒、土曜日になったらデートするんだろ

でもどれをとってもすべて虚構なのね

わたしはうそつきだしあなたもうそつきだ

うそとうそを持ち寄りあってパーティーしてるんだけどだんだん夜が明けてきて、お互いの顔を明るみでみるのよ

そのとき知る。

はじめてあった時と同じ人とは思えない。

むしろ人とは思えない。

こんな生物みたことない。

だってあなたは蝉みたいな声で鳴いて羽根が生えていて、胸から無数の脚が蠢いている。

わたしはといえば、お尻から巨大な針が突き出て、腹は丸くて卵を産み落としている。

こんなの見たことがない。

いつのまに。

そのままの姿で遊びに行ったり仕事に行ったりしているうちに

いつかの人間らしい姿を切望し

わたしは服毒自殺し、あなたは空を飛んでいく。

梅雨の空に飛んでいって最終的には路上に野垂れ死ぬ。

このままわたしたちは

指にての感触とか残ったまま

顔はぼんやりしてもうあまり覚えていない

きみとは6日前にあったの

ラインはブロックされた

既読がつかないからたぶんそう

てをつないだ日のこと忘れて

駒沢公園でビールをのんだ日のことも忘れて

あなたは仕事をし

わたしは仕事をし

元カレと同じいえに暮らし

ダサいものがきらいで

カッコいいものにだけ愛を示し続けていくの

その愛っていうのがどこに向かうのか知らないけどほんとにくだらない

わたしのリーバイス、美術館のshopで買ったTシャツ、

頼もしい女友達、CASIOの腕時計、

いつもいく古着屋、セレクトショップ

雑誌、インスタ、Twitter

グロテスクなものにいつも身を委ねるしかない、感覚が、お前にわかるかよ

グロテスクなわたしの職場、

グロテスクなわたしの顔面、

グロテスクなわたしの身体、

グロテスクなわたしの友達、

グロテスクな街、

ペアーズで出会った男の子、顔もファッションも素敵

すこし死んだみたいな眼が好き

闇だとおもう、いいよ、すごくいいよ、もっと闇!

もっと頭がおかしくなればいいのに

わたしといっしょにここに住めばいいのに

新しいことがこわかったんだね?

たのしいのにね?

たのしいのに?たのしい?たのしい!